白内障による近視化
白内障の症状としては、水晶体の混濁に伴う、かすんだ見えづらさ以外にも、近視が出てくる、近視が強くなることがあります。
水晶体は中心部分の”核”と呼ばれる部分とそれを包む”皮質”と呼ばれる部分に大きく別れるのですが、その中心部分の”核”が固くなり、さらにそこの細胞の膨化などによって、屈折が近視になってしまうことがあるのです。
今日は白内障手術を数件行いましたが、そのうちの1件も、もともとは近視が無かったのに、白内障が進んできたために、近視がかなり進行した症例でした。
白内障が軽い右目は裸眼視力は1.0出ているのですが、左眼は−7ディオプターくらいの強い近視、裸眼視力は0.03で矯正視力も0.4まで低下しています。
もともとは左右の見え方に差が無かったそうで、屈折度数に大きく関係する目の奥行きの長さ(眼軸長:がんじくちょう)も左右で大きな差はありませんでした。
多少の近視の進行であれば、近くが見えやすくなって便利になる場合もあるのですが(その場合は遠くは見えづらくなりますが)、過度に近視が進んでしまうと、遠くの視力が白内障と近視で随分と下がってしまうので、運転も含めて、日常生活はとても不自由になってしまいます。
今回は、運転のこともあるので、左右差がなくなるように、手術をさせていただきました。
結果は明日ですが、とりあえずは、今日も無事、全ての手術を終えることができました。