眼外傷
4月下旬、暖かく天気の良かった今日はお昼くらいまでは普通に外来、手術をおこなっていましたが、午後には眼外傷が立て続けに来院されました。
草刈り中の異物、研磨中の異物、ガラスが目に入った、天ぷら油が目に入った等々。。。
保護メガネをしていない状態での草刈りは特に要注意で、かなりの確率で、眼球内に草刈り機の金属製の刃のかけらが入っています(最近ではその対策で、刃物に金属を使用しない草刈り機も増えています)。
ですから、草刈り中の異物は、その前提で、念入りに検査を進めていきます。
飛入点が角膜の場合には、角膜内皮側を突き破って前房内に達していないか、さらに、散瞳して、水晶体に傷はないか、などなど。
角膜に関しては、眼球内まで異物が到達しているかどうかは診察用の顕微鏡で明らかな場合が多いのですが、結膜の場合には、浮腫で傷口が覆われてしまってわかりにくくなっている可能性もあります。
今日はそれぞれの症例で注意深く診察させていただきましたが、幸い、緊急手術が必要になる方はいらっしゃいませんでした。
また、硬い異物以外にも、高温の油や化学薬品が目に入ってしまった場合には結膜をはじめとした目の組織が癒着を起こしてしまい、かなり困難な状態になることもあります。
大学で勤務していた際には、結膜の再建のために羊膜をもらいにお産があるとの連絡を受けて産婦人科に行き、提供を受けた羊膜を丁寧に剥離して目の手術に使用したりしていましたが、一般開業医ではそこまでするのは難しいですから、開業医の役割はそうならないようにするための一次救急になります。
目に何か入ってしまった場合の基本は、とにかく”洗う”ことです。
よほど強い化学薬品でなければ、目を洗う、点眼などでの治療をする等の処置でなんとかなることが多いので、もしも目に薬品が入ったら、すぐに大量の水で洗い、早急に病院に受診して処置を受けることが大切です。