顆粒状角膜変性症の治療
今日は角膜変性疾患の一つである、顆粒状角膜変性症の治療後2ヶ月の方が来院されました。
顆粒状角膜変性症は、角膜に顆粒状の混濁が生じる遺伝性の病気で、加齢とともに混濁が広がり、視力が低下します。
私が大学病院にいた10年以上前は、有効な治療手段が普及しておらず、酸で混濁を溶かす、という治療を外来でしていましたが、最も効果的な治療はエキシマレーザーを使って角膜混濁を除去する方法です。
保険の適応にもなっているので、3万円ちょっとくらいで受けることができます。
上の写真は治療前、比較的強い混濁が散在しています。
混濁の影響により、左眼は-5ディオプターの乱視と遠視が出ており、裸眼視力0.2、矯正でも0.5までしか出ず、右眼を頼りに生活をされているような状態でした。
エキシマレーザーで治療して、
混濁は残っているものの、随分と少なくすることができました。
視力も裸眼が0.7まで向上、矯正視力も1.0出るようになり、とても喜んでいただけました。
治療にはエキシマレーザーが必要ですから、どこのクリニックでもできるわけではありませんが、岐阜県内では当院とあわせて2箇所で治療ができます。
角膜混濁に対する治療的表層角膜切除術は10年以上のノウハウがあるので、混濁を除去するだけではなく、できるだけ乱視などの屈折異常も取り除いて、良好な裸眼視力が得られるように治療をしています。
混濁を治せる、というのを知らない方が多いのと、名古屋に行かないと治せない、と言われてやめてしまった方もいらっしゃり(今回の方がそうでした)、岐阜でも治すことができることを知っていただけるよう、地道にやっていきたいと思います。