過熟白内障の手術
今日は白内障手術はやや難症例、かなり進行した白内障(過熟白内障)2件、小瞳孔1件を行いました。
過熟白内障の問題点は白濁により視認性がかなり低下しているので、従来の手技では通常の前囊切開が困難を極めること、囊自体の脆弱性、時として非常に硬い水晶体核、などがあります。
これらは一気に解決しうるのが、フェムトセカンドレーザーを使用した白内障手術です。
今回の2症例とも、レーザーで白内障手術をおこないました。
1例目はやや高齢の方の過熟白内障。
時間をかけて進行したようで、水晶体核はかなり固く、慎重に、ダメージが最小限になるように処理しました。
わかりにくいかもしれませんが、前囊切開も綺麗にできていました。
手術前はHand Motion、手動弁といって目の前で振った手がなんとか分かる程度でしたが、
手術後は近視・遠視・乱視はほぼゼロの正視、裸眼で1.0に回復され、とても喜んでいただけました。
若い方の過熟白内障ですが、レーザーで前囊切開している時点で、溶けていた水晶体が一気に噴出して前房内を満たしました。
それでも、前囊切開は正円できれいに作成されています。
予定通り、多焦点眼内レンズをしかるべき位置に挿入して手術は終了。
過熟白内障、ほぼ毎月行っていますが、幸いにして全症例、レーザーで無事に手術を終了できています。
治療前は指数弁でしたが、術翌日、視力は遠見1.5、近見0.7。
屈折度数はほぼゼロの正視になりました。
これからも安全第一で治療に取り組んでいきたいと思います。