レーシック治療後の白内障手術
12月に入り、目の治療を受けられる方も増加傾向にあります。
主には近視や乱視を矯正するレーシック治療はほぼ毎日2〜4件のペースで行っており、年間500〜600件、個人眼科では全国で2番目くらいです。
また、最近では眼内にレンズを挿入するICL手術を希望される方も増えており、毎週施術はしているので、個人眼科では東海地方で1番症例数は多いと思います。
エキシマレーザーによる近視治療が1980年代に行われるようになってからもう少ししたら40年近くになるのですが、1990年代に受けられた方も30年近くがたち、当時、30歳代、40歳代だった方は、今は60〜70歳代にさしかかり、白内障による視力低下が見られる方もいらっしゃいます。
写真は白内障による右眼の視力低下をきたした60歳代の方。
左眼は1.5近くの良好な裸眼視力を維持されていますが、右眼は白内障で-4ディオプターの近視化、裸眼0.3、矯正でも0.9まで視力が低下しています。
角膜形状は典型的なレーシック治療後。
多焦点眼内レンズを使用した白内障手術を行いました。
術後3日目。
裸眼は1.0、近くは0.8。
近視はゼロになりました。
上側からの切開なので、やや倒乱視化していますが、0.5ディオプターは戻ると思います。
レーシック治療後でも白内障手術をお受けいただくことは可能です。
ただ、通常の白内障手術と異なるのが、裸眼での生活への憧れからレーシックを受けられた経緯もあり、ほとんどの方は白内障手術後も裸眼での生活を望まれます。
最近では保険適応となった多焦点眼内レンズのレンティスも使えますし、より高機能な眼内レンズも多種あります。
注意点としては、0.5ディオプターくらいの屈折異常が残った場合でも見え方の違和感を覚え、解消を望まれることも珍しくはありません。
0.5ディオプター未満の屈折誤差になってくるとレンズ交換では難しく、エキシマレーザーでないと矯正ができないケースがありますから、より完璧な見え方を目指す場合には白内障手術後にエキシマレーザーによる追加矯正治療が必要になる可能性があることをご理解頂いた上で治療を受けて頂く必要があります。