角膜内リング治療 〜円錐角膜〜
本日の外来、手術とも無事に終了しました。
今日は白内障手術を約10件、緑内障手術2件など。
おおよそですが、日曜日以外は毎日、15件から20件前後の手術を行っています(年間4000件くらいの眼科科手術になります)。
白内障手術や網膜硝子体手術、レーシック、ICL治療以外にも時折、行うのが角膜の手術でその中でも特殊なのが、円錐角膜の手術です。
かつては(今でも)、円錐角膜は難治の疾患で、角膜移植以外の手術治療はありませんでした。
この20年くらいですが、リング状の補強剤(白内障手術でも使用される安全性の高い特殊プラスチック素材)を挿入することで角膜形状を改善する手術(角膜内リング)ができるようになり、効き方がマイルドなインタクスという角膜内リングもありましたが、さらに効果が高いケラリングを使用した円錐角膜治療を、約20年前、私自身が日本で初めて行いました。
角膜内リングを製作している会社も当初は規模はファミリー経営のような感じだったので(今は眼科医療で有数の企業になっています)、手術ごとに、毎回、その会社の当時のCEOとやりとりしながら、ケースバイケースで使用するリングサイズなどを決定していました。
その後はリングのノモグラム作製にも多少、携わるようになって、その当時の最先端の方々と仕事をすることで今は自分で使用するリングサイズなどを決定しています。
東京にいた時ほどではないのですが、時折、今でも角膜内リング手術を行なっています。
特殊な技術ではありますから、日本国内でも対応できる施設は両手で数えることができるくらいです。
かつてと異なるのは、今はガイドシステムを使用して、センタリングや切開位置をより正確にリアルタイムで把握しながら治療が可能になりました。
また、使用できるリングサイズのバリエーションも増えています。
写真の方の術前(左側の赤い部分が歪み)。
術後、赤い部分がかなり小さくなり、5ディオプターくらいの形状改善が得られています。
裸眼、矯正視力ともに向上しました。
角膜内リング手術に使用する手術器具。
リングを挿入するトンネルを作成する器具は先日、さらに1セット増やして、今は3セットあり、これだけの角膜内リング手術治療機器を揃えている眼科は日本国内では他にないはずです。
当然ながら採算度外視になりますが、メガネやコンタクトレンズでの矯正が困難な中等度以上の円錐角の方にとっては必要な治療なので、円錐角膜でお困りの方はご相談ください。