Finevision PODEYE
今週開催されている日本眼科学会で正式発表され、今月22日に正式発売される予定の新しい眼内レンズ、ベルギー製のFinevisonのPODEYEを日本で最速の部類で使用しています。
本日土曜日は外来も多少混み合っており、様々な複雑な状態の目の方々にご来院いただき、治療の相談をさせていただきました。
外来は20時前に終わったのですが、その後は急性の緑内障発作で眼圧が下がらない方の緊急の白内障手術を行いました。
水晶体前面には偽落屑物質と呼ばれる粉状の物質が沈着しており、水晶体を支える柱であるチン氏帯が弱くなって水晶体自体が前の方に出てきてしまい、虹彩の付け根の排水口(隅角)が閉塞、眼圧が最も高い状態で80mmHgまで上がってしまっていました。
点眼薬、内服薬、点滴、レーザー治療をするもそれでも眼圧は50mmHgくらいでこのままでは徐々に視神経がダメージを受けて数日のうちに見えなくなってしまいます。
そのため、急遽本日外来終了と同時に緊急の手術を行うことになりました。前房は相当浅く、チン氏帯が弱いことが予想されたため、水晶体の前房切開や水晶体切開をフェムトセカンドレーザーで行いました。
前房ができなければポートを設置して硝子体切除から開始する予定で、硝子体カッターなども準備した上でスタート、幸い、前房形成はなんとかなったので、通常に近い手技で白内障手術を行うことができました。
おそらくはこれで眼圧も下がるはずなので、高眼圧に伴う吐き気などは解消されます。
今回の眼内レンズは当日の準備となったのですが、幸いにしてレンズのストックは豊富にあり、今回は新しく出る予定のFinevisionのPODEYEを使用しました。
使い勝手は以前から多く使用している多焦点タイプのものと同じで、とても取り扱いがしやすいです。
多焦点としてのFinevisonのレンズも優秀ですが、その単焦点バージョンのPODEYEも期待できるレンズです。