ICL研究会@福岡 | 柳津あおやま眼科クリニック

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ICL研究会@福岡

更新日:2024年06月28日

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本日、木曜日の診療、手術終了後、明日から開催される白内障屈折矯正手術学会に合わせて開催されているICL研究会に参加してきました。

3月にも沖縄で開催されたICL研究会にも参加してはいましたが、主にアジア圏を対象に開催された会でグローバルな視点に立った俯瞰的な研究会でした。

今回の研究会はICLの熟練者向けの会合で日常の臨床で対峙する問題にリアルタイムでどうしているか、情報を共有する内容で臨床的な研究会でした。

滞在時間は3時間程度、来月導入をする予定の機器の打ち合わせもあり、空港から会場のホテルまで行き、会合の終了後はそのままタクシーで福岡空港まで戻りました。

空港では搭乗まで10分ほど時間があったので、ラーメンをいただきました。

豚骨ラーメン、とても美味しくいただきました。

ICLに関してはlow vaultとhigh vaultではレンズの回旋率に関しては実際には有意差が無いこと、回旋予防のために縦(垂直)方向にレンズを挿入する方法が最近では行われることもありますが、水平方向に挿入する場合と垂直方向に挿入する方法では回旋率に関しては有意差が無いこと、ただ、垂直方向のほうが大きく回旋するケースが少ないデータが出ていました。

他、low vaultで生じることがある調節障害は少ないながら日常の手術でも感じることがあったので、レンズの選択を考慮していましが、水晶体への物理的な障害の他、屈折に与える影響など。

術後炎症のTASSは当院では幸いにしてまだ発生したことはありませんでしたが、レンズのシリアルナンバーとの関連(春以降は大幅に減少しているようでした)、それから、粘弾性物質の種類との関連もとても興味深い話でした(粘弾性物質をほぼ使用しない中国ではTASSの報告は無いとのことです)。

術中に使用する粘弾性物質も選択に注意しないと一時的な水晶体混濁をきたすことがあり、そのメカニズムに対する考察も興味深いものでした。

粘弾性物質を使わずにレンズを挿入する手技も試みられており、技術的には注意が必要ではあるものの、症例数が人口からはるかに多い中国では主流ですから、今後の流れを見ていく必要があります。

とても勉強になる会合、短時間の滞在でしたが行ってとても良かったです。