緑内障治療
失明の原因の多くを占めている疾患に緑内障があります。
世界では失明の原因の第一位は白内障なのですが、日本では、中高年の失明原因の1位は緑内障、2位は糖尿病網膜症で、3位以降に網膜色素変性症、最近増えている加齢黄班変性が続きます。
iPS細胞による治療が期待される網膜色素変性症以外は、現在有る治療手段によって、進行を遅らせ、失明を防ぐことができるようになってきました。
その中で、緑内障治療の基本は点眼薬なのですが、以前と比較しても様々な作用機序の点眼薬が発売され、治療の選択肢も増えてきています。
少し前になりますが、先月号(8月号)の眼科の雑誌にも新しい緑内障点眼薬の文献が紹介されています。
緑内障点眼薬の作用機序に共通するのは眼圧下降効果なのですが、最近では、眼圧下降以外に、他の作用機序で緑内障の進行予防が期待できる点眼薬が使えるようになっています。
そのひとつが、グラナテック点眼薬です。
眼圧下降効果以外にも、視神経の血流増加によって、神経保護が期待できるデータが出ています。
従来の、眼圧下降効果のみの緑内障点眼薬を使用していても緑内障がゆるやかに進行してしまうことは珍しくありませんから、そのような症例にとっても有効な選択肢になりますし、最初からこうした点眼薬を使っていくのも有りかもしれません。
あとは、この点眼薬を使ってみた時に、”見えるようになりました!”と言われる方が何人かいらっしゃったのですが、眼圧下降や血流増加以外にも何らかの作用で見え方に良い影響が出ている可能性もあり、興味深い点眼薬ではあります。