乱視と老眼の同時治療
本日の白内障手術も、無事、終了しました。
そのうちの1例は乱視も強かったので、乱視と老眼の両方を同時に治すことができる多焦点眼内レンズを使用しました。
まずはレーザーで角膜および水晶体を切開し、除去。
乱視矯正用の多焦点眼内レンズを挿入。
点線状に乱視軸のマークがついているので、顕微鏡で見ている画面にレンズの最適な挿入位置が仮想画像で示されるベリオンを使用して、乱視軸およびレンズのセンタリングをばっちり合わせて手術を終了しました。
顕微鏡ではこんな風に見えます。
乱視用や多焦点眼内レンズなどのプレミアム眼内レンズはその性能を発揮するためには必須の器械とも言えます。
先週、多焦点眼内レンズで手術を受けられた方も、手術後数日で遠くは両眼とも1.5に、近くは1.0に回復、近視・乱視ともほぼゼロになりました。
もちろん、多焦点眼内レンズの手術のみならず、単焦点眼内レンズの白内障手術の際にも、最善の結果が得られるように工夫します。
ちょうど3ヶ月前に単焦点眼内レンズを使って白内障手術を受けられた91歳の女性。
右眼も随分前に他院で白内障手術を受けられていますが、黄斑変性症により視力は厳しい状況。
運転等もされず外出は少なめ、主に家の中でテレビや新聞を見る、という生活から、近視をわざと残す方法で手術を行いました。
−2ディオプターくらいの近視に設定、結果として、0.08だった視力は0.4に回復され、裸眼でテレビや新聞が見えるようになり、眼鏡を全く使わずに生活できるようになって、とても喜んでいただけました。
治療を受けられる方の生活を想像しながら、どんな具合に治すのが良いのか、頭を捻りながら治療をします。