角膜内インレー眼の硝子体手術 | 柳津あおやま眼科クリニック

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角膜内インレー眼の硝子体手術

更新日:2023年10月20日

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10年くらい前まで行われていた老眼矯正治療に角膜内にピンホール効果があるシート状の素材を挟みこむ治療(商品名はKAMRA)があります。

片眼を少し近視寄りに矯正してシートを挟み込むのですが、今では白内障手術などで当たり前に使われてるベリオンなどの術中ガイドシステム(リアルタイムに瞳孔中心や切開位置を視界に表示してくれる)も普及しておらず、角膜輝点と瞳孔中心の中間点あたりにシートを置くのが良いとも言われていましたが、術前術後の評価はできるものの、術中は術者の目視での治療になるなど、さまざまな面から普及にはいたらなかった治療です(ある程度以上に普及するためには一定以上の高確率で結果が出ている必要があります)。

その当時、老眼で治療を受けられた方は10年以上経った今では早ければ白内障で視力が低下してくるため、白内障手術を行うことは珍しくはありません。

なお、このinlayが挿入されている方は、白内障手術を行う場合には単焦点眼内レンズであればinlayのピンホール効果が期待できるので、そのままで白内障手術を行う場合と、いったんinlayを抜去して多焦点眼内レンズを使用した白内障手術を行う場合があります。

どちらを選択するかは、inlayの機能的な側面と術後に期待する見え方のQualityなどによります。

ちなみに、inlay挿入眼での白内障手術は珍しくはないかもしれませんが、網膜疾患になると少し数が少なくなります。

先週にはinlay挿入眼での網膜前膜の手術がありました。

術前の視力は0.6で矯正不能。

前膜もきれいに除去でき、1週間検診で1.2まで回復されていました。

最近では硝子体手術に広角眼底観察システムを使用するのが一般的で、小瞳孔でも以前と比較するとかなり広い視野での手術が可能になっています。

今回もinlayはそのままで安全に手術を行うことができました。