多焦点眼内レンズを使用した眼内レンズ強膜内固定術
金曜日の外来、手術も無事に終了しました。
手術は白内障手術の他、ICL6件、レーシック8件、他、緊急の眼内レンズ強膜内固定手術など約20件。
今のところ、日曜日を除いてほぼ毎日コンスタントに手術をしています。
予定手術もありますが、ある程度は網膜剥離等、緊急の手術にも対応しています。
網膜剥離よりはやや緊急性は低くなる場合もあるのですが、放置できないのが眼内レンズの脱臼です。
通常の白内障手術では水晶体嚢(すいしょうたいのう)と呼ばれる袋に眼内レンズを挿入するのですが、水晶体嚢を支えているチン氏帯という柱が弱くなってしまうと、水晶体嚢ごと外れてしまい、眼内に落下してしまうことが稀にあります。
眼球内には硝子体(しょうしたい)というゲル(ジェリー)状の物質があるので、即座に網膜が障害されることは少ないのですが、放置してくと網膜への障害が起きてしまうために、できるだけ早く治す必要があります。
今回は硝子体手術後でクッションがわりになる硝子体のゲルが無かったため、できるだけ早めに手術がする必要があり、本日の手術となりました。
初回が多焦点眼内レンズを使用していたので、今回も多焦点眼内レンズを使用しての強膜内固定手術。
脱臼した眼内レンズを摘出して、ベリオンを使用してセンタリングを確認しながら挿入した新しい多焦点眼内レンズを固定します。
眼内レンズの強膜内固定手術は一定の割合で存在する手術なのですが、多焦点眼内レンズを使用する場合には正確な位置に固定するためのベリオン等のガイドシステムと、残存した屈折異常を矯正するためのエキシマレーザーが必要になってきてしまうため、行うことができる施設はとても限られます。
眼内レンズを強膜内固定する必要があり、かつ、多焦点眼内レンズを希望される方はご相談ください。